肥満でメタボな人の身体は、体内でビタミンEが利用されくくなっている、という研究報告があります。
肥満の人はビタミンE不足の板挟みに
●米国オレゴン州立大学の研究報告
○肥満でメタボの人のビタミンEの必要性
・余分な体重などによって、身体は多くの酸化ストレスにさらされているため、抗酸化剤となるビタミンEも通常よりたくさん必要になる。
・脂肪は、代謝性ストレスを増加させる酸化剤を生成する。一方で、ビタミンEやCなどの抗酸化剤はこれに対抗するものとなるが、92%もの米国人が必要量の半分しかビタミンEを摂取していないとする見方もある。
○肥満でメタボの人はビタミンEが体内で利用されにくい?
・ビタミンEは脂溶性のビタミンであるため、過体重で高脂肪の食品を大量に食べるような人たちは、理論的にはビタミンEレベルは高くなるはずだが、今回の研究において、こういった人たちは血中のビタミンEレベルが高かったとしても、最も必要な組織でビタミンEが働けない状態にあることがわかった。
・ビタミンEは、体内では血液中の脂肪分に乗っかる形で運ばれているが、肥満の人の組織はすでに十分に脂肪を持っているので、運ばれてきた脂肪ごとビタミンEも拒絶してしまう。組織が重大な酸化ストレスに直面している場合でさえ、ビタミンEを拒絶してしまう、と考えられる。
○ビタミンE不足によって・・・
成人の3人に1人以上がメタボリックシンドロームだといわれる米国では、膨大な数の国民がビタミンE不足の状態にあり、それがメタボリックシンドロームと関係しているとされる様々な病気(心疾患、糖尿病、アルツハイマー、がん)を悪化させている可能性があるとしている。
○ダイエット時の注意点
・脂肪の摂取を制限しすぎるとエネルギー制限の効果はあるが、ビタミンEが不足する可能性も生じる。
・まずはバランスの取れた健康的な食事を摂りつつ、サプリメントによってビタミンEを1日15mg(米国のビタミンE推奨量と同量)を摂ることを勧めるとしている。
2015年12月02日
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