通常量のアスピリンによって、肥満者の長期的ながんリスクが低下するかもしれない、というニュースです。
アスピリンは肥満者のがんリスクを低下させる
●英国ニューカッスル大学とリード大学の研究報告
・16か国の43施設から千人近くのリンチ症候群患者を集めて10年以上にわたって追跡調査。
※リンチ症候群
DNAの複製ミスをもとに戻す働きをもつ"ミスマッチ修復遺伝子"の変異を生まれながらにもっていることにより、がんが起こりやすくなる症候群。
・参加者は、一日500rのアスピリンまたはプラセボを毎日2年間にわたって服用した。その後10年にわたって追跡調査した結果、55名が大腸がんを発症した。
・データ解析の結果、肥満者はそうでない者に比べて発症リスクは2.75倍高かった。しかし、アスピリンを服用していた者は、肥満であっても発症リスクの上昇はみられなかった。
・体内炎症反応の上昇ががんリスクの上昇とリンクしているという増加中のエビデンスに追加されるべき結果といえる。肥満は炎症反応を上昇させるが、炎症を抑える作用を持つアスピリンによってリスクが低下したものと思われる。
2015年12月22日
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