高脂肪食はドーパミンシステムを損なうかもしれない、というニュースです。
参考記事
目玉焼きの上のあなたの脳みそ!
●カナダ・モントリオール大学からの研究報告
○中脳辺縁系ドパミンシステム
・動機づけをコントロールするのに必須の神経回路。
○研究結果
・ラットを用いた動物実験で、対照群のラットは一価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸をほぼ等量含む低脂肪食を与えられた。介入群1のラットは、一価不飽和脂肪酸の高脂肪食(カロリーの50%がオリーブ油)、介入群2のラットは、飽和脂肪酸の高脂肪食(カロリーの50%がパーム油)を与えられた。動物は自由に食べたいだけエサを与えられた。
・8週間後、すべてのラットが似たように体重、インスリン濃度、レプチン濃度、血糖値を示した。
・パーム油を食べたラットのドパミン機能が有意に低下していることを発見した。体重が増えなくても、飽和脂肪酸によって脳の動機づけのコントロールに影響を及ぼすことを証明した。一価不飽和脂肪酸に対してはそのような現象は見られなかった。
研究チームはこの機能低下によって、この低下を埋め合わせるために、いわゆる薬物依存のように強い報酬探索行動をとらせるだろうと考えている。
ヒトにおいても飽和脂肪酸をたくさん食べ過ぎると、報酬反応が減少するのでそれを埋め合わせるためにより多くの高脂肪高糖分食を、今までと同じ報酬を得るためにたべるのではないか?と考えている。
・研究チームは脂肪が脳に直接作用してドパミンシステムに影響しているのだろうと考えている。このプロセスには脳内の炎症反応が関与しているということを別の実験結果から得ている。
体重増加や肥満とは独立に、高脂肪食の摂取は脳の気分障害、薬物中毒、過食などに関わる脳の機能の不具合を起こし、動機づけと快楽を求める気持ちの病的状態につながる。
2016年01月04日
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