フルクトースが心筋増殖に関与していて心不全を起こす原因となるかもしれない、というニュースです。
参考記事
フルクトースが悪循環を生む
●フルクトースの作用
・フルクトースはグルコースよりも甘味が強い。
・グルコースとは違って、フルクトースは血糖値やインスリン分泌をそれほど高めない、と以前は思われていた。
最近、肝臓はフルクトースを極めて効率よく脂肪に変換するため、フルクトースを過剰摂取すると、体重が増え血圧や血中脂質が上昇し、脂肪肝やインスリン抵抗性が起こることが分かった。
●スイス・チューリッヒ工科大学からの研究報告
・研究チームは、心筋が酸素欠乏下で低酸素誘導因子(HIF)を作り出し、これが心筋の病的な増殖を促すことを発見した。
・血圧が高くなる
→心臓は血液を体中に循環させるためにより多くの力が必要になるため肥大。
→心筋の増殖にはかなりの量の酸素が必要。
→酸素の供給が充分にできない場合、心筋細胞は低酸素誘導因子(HIF)を作り出し、別のエネルギー源を使うように切り替えようとする。
→HIFは、心筋にケトヘキソキナーゼ-C(KHK-C)の産生を促す。これはフルクトース代謝の中心的な酵素。
→KHK-Cはフルクトースに親和性が高く非常に効果的に反応を進めることができる。KHK-Cの生産はまた、脂肪からではなく、解糖系の効果も高める。
→心筋細胞がグルコースに加えてフルクトースにもアクセス可能であれば、この状況はますます悪化する。
→フルクトース代謝はネガティブフィードバックによる制御がかからないので、この反応系が回り始めると、心不全にむかって突き進むことになる。
2016年01月13日
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