ウルトラマラソンなどの長時間の過酷な運動をすることによって腸内細菌が血液中に入り込み、血液が毒される可能性があるというニュースです。
参考記事
極端な運動で血液が毒される
●モナシュ大学からの報告
・24時間ウルトラマラソンや、数日間連続で走るなどのウルトラマラソン参加者などの非常に極端な持久性運動イヴェントに参加した者を対象に検討を行った。
・対象者らはイベントの開始前と終了後に血液サンプルを採取され、コントロール群と比較された。
・結果、ある一定期間以上の時間持続的に運動を行う事によって腸壁に変性が生じ、いわゆるエンドトキシンとして知られる腸内常在菌の血中への漏出が起こることがわかった。
この漏出が身体の免疫機構に対して全身炎症性反応を引きおこし、感染症症状に似た状態を導くという。
・ほとんどトレーニングしないまま暑熱環境下での競技に参加したりしている場合、自分の身体を、身体の自然な防御システムをはるかに超えた状態でのストレス下においていることになる。
血液中のエンドトキシンレベルが上昇すると、免疫機構による反応は亢進し、身体の防御機構による防衛作用を大きく上まわる状態を導いてしまう。
極端な例では、全身炎症性からの敗血症をもたらしてしまうことがある。
・研究者によれば、4時間を超える競技や複数日にわたって連続して持久性競技が行われるような場合には"極限的持久性競技"として今回の検討の範疇に入れてよいとしている。
これらのイベントに参加しようとする人は、健康診断を受けてその後に漸増的なトレーニングプログラムを実行して準備することが必要であって、間違ってもいきなり1ヶ月少し走ったぐらいでマラソンを走ろうとしてはならないと指摘している。
・研究者らはさらに、よりフィットネスレベルが高く、長期間にわたってトレーニングを継続しているようなウルトラマラソン参加者である対象者の血液でインターロイキンン10と呼ばれる抗炎症性の成分が見られることを報告している。
インターロイキンン10は免疫性反応の健康に対するネガティブな影響を減弱させるような機能がある。つまり、身体はトレーニングによって適応し、極端な自己免疫性による身体への攻撃性を低下させるように変化していくことができる。
もしもこれらのトレーニングを行っておらず、フィットネスレベルが低いとすれば、運動によるストレスだけでなく自己免疫によっても健康を害してしまう可能性がある。
2016年01月15日
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