2016年01月16日

母親の妊娠前の食事がエビジェネティックなDNA変化によって子の疾患リスクに影響?

母親の妊娠前の食事がエビジェネティックなDNA変化によって子の疾患リスクに影響するかもしれない、というニュースです。

参考記事
母の受胎前の環境が子の生涯疾病リスクに影響
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=49915&-lay=lay&-Find

●エビジェネティックなDNAへの修飾の影響

・DNAのわずかな変化が疾患リスクに影響することは良く知られている。

・子どもの遺伝子は両親から直接受け継がれる者だが、これらの遺伝子がどのように発現するかは、メチル化などのいわゆるエビジェネティックなDNAへの修飾によって制御されている。

・このエピジェネティックな変化は食事などの環境因子によって影響を受けることが知られている。

・全身の組織に含まれるメチル化の状態を調べてみると、どの組織でもほぼ同じ状態が保たれていることから、ほとんど細胞分裂が進んでいない人生の最初の数日までにこのエピジェネティックな変化は完了することがわかる。

メチル化には一定の栄養素のセットが必要なので、母親の妊娠前と妊娠中の栄養状態がそこに影響を与えることは当然予想される。

●この研究チームの以前の研究

・子どものDNAが母親の妊娠前の食事の影響を受けていることを示していた。

●英国医学研究協議会(MRC)などの国際研究チームの報告

・アフリカのガンビアで乾季と雨季各々のピークの時期に受胎した120名の妊婦を対象に、血液中の栄養素を分析し、生まれた子どもの生後2-8か月の時点の血液と毛髪検体から同様の分析を行った。

ガンビアの乾季と雨季という非常に異なる栄養状態の母親から生まれた子どもたちを比較検討することで、母親の食生活が子どもに与える影響を検証。

・研究チームは、VTRNA2-1と呼ばれる遺伝子が特に変化に対する感受性が高いことを明らかにした。子どものVTRNA2-1の発現を制御するメチル化の状態は、母親が子どもを受胎した時期が乾季か雨季かによって変わってくるということです。母親の栄養状態がもっとも強い影響をもつということ。

VTRNA2-1は、腫瘍抑制遺伝子のひとつでウイルス感染への身体の応答性にも影響を与える。

この結果によって、母親の妊娠前の食事がエピゲノムのわずかな書き換えを通して、子どもの特定の疾患のリスクに影響を与えうることを実証した、といえる。
posted by ほのぼん at 09:55| Comment(0) | 病気予防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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