ピレスロイド系殺虫剤が男の子の注意欠陥多動障害(ADHD)のリスクを高めるかもしれない、というニュースです。
参考記事
一般的な家庭用殺虫剤にADHDのリスク
●ピレスロイドとは
・除虫菊に含まれる有効成分の総称で、今日では各種誘導体が合成され各国で広く殺虫剤として利用されている。
・ピレスロイド類は昆虫類、両生類、爬虫類の神経細胞上の受容体に作用し、Na+チャネルを持続的に開くことにより脱分極を生じさせる神経毒。
・哺乳類、鳥類の受容体に対する作用は弱いので、比較的安全性の高い殺虫剤と言われている。
・有機リン剤のような急性毒性がないので安全な選択肢と考えられている。
●他の研究
・雄マウスのドパミン系に異常を起こして多動障害を起こす可能性が示唆されていた。
ドパミンは脳内の神経伝達物質であり、ADHDとの関与も深いと考えられている。
●米国シンシナティ小児病院医療センターからの研究報告
・2000-2001年のNHANES(米国国民健康栄養調査)から8-15歳の687名のデータを解析。
・データ解析の結果、ピレスロイドに曝露したことを意味する尿中指標である3-PBAが検出された男子は、検出されなかった男子に比べて、ADHDを発症するリスクが3倍高かった。
・多動性と衝動性は、3-PBA濃度が10倍高まるごとに50%ずつ高まった。女子では3-PBA濃度とADHD症候の間に関連は見られなかった。
2016年01月29日
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