2016年02月06日

ビタミンEの細胞膜再生に対する効果

筋力トレーニングによる筋破壊とその再生、細胞膜再生とビタミンEの関わり、に関するニュースです。

参考記事
ビタミンEで筋の健康を保つ方法


●ビタミンEと筋群、細胞膜再生

・ビタミンEと健康な筋群に関連性が見られることはこれまで確立した根拠として知られてきた。

例えば、ほ乳類や鳥類でビタミンEが欠乏状態になると筋消耗性の疾患になり、しばしば致命的な症状をもたらす。

高齢者がビタミンE含有量が少ない食事を摂取するといわゆる"フレイル症候群"と呼ばれるような、自律歩行が難しくなるといった脆弱な身体状態を招きやすい。

・ビタミンEは強力な抗酸化性が知られており、これがないと細胞膜の機能が適切に働かず、細胞の再生が進まないことが知られている。

・全ての細胞には細胞膜が存在し、全ての膜は引き裂かれる可能性がある。そのため、ビタミンEが細胞膜の再生プロセスにどのように関わるかを知ることは筋ジストロフィーや外傷性脳障害などの治療にも有益である可能性がある。

・ビタミンEを効果的に摂取できる食品には植物油、ナッツ類、ヒマワリの種のような種子類、緑黄色野菜、ビタミンを強化したシリアル、フルーツジュース、マーガリンなどであると米国衛生研究所は発表している。

●筋活動と筋破壊

・筋活動を通じて筋細胞を微細に破壊し、"痛み無ければ成長ナシ"というポリシーに従って筋力は増大してゆく。

しかしながら、破壊されるのみで再生機能が有効に働かなければ、その筋細胞は"死亡"してしまう。

これが長期的に引き続いて起これば、筋萎縮症などの疾患として発現することになる。

●ジョージア・リージェンツ大学からの研究報告

・通常の齧歯類用給餌を与えられたラット、ビタミンEを除去された齧歯類給餌を与えられたラット、さらにはビタミンE除去給餌に加えてビタミンEをサプリメント的に補充した給餌を与えられたラットで比較し、検討を行った。

まず始めに、ラットの生得的な走能力をできるだけ高めるためにトレーニング期間を設け、トレッドミル上でのダウンヒルを行わせた。(筋肉痛を起こすような筋活動)

・結果、ビタミンEが欠乏状態にあるラットは対照群に比べて一般的に走行能力で劣っていた。

・ビタミンE欠乏ラットでは細胞膜の再生が不完全であったのに対し、通常食ラットもしくはビタミンE給餌ラットでは健康的な細胞のように再生が起こっていた。

・ビタミンE欠乏給餌のラットでは大腿筋の筋線維がより小さく、炎症性傾向が高いことも確認された。

○活性酸素、ビタミンEと細胞膜再生

・活性酸素が細胞膜の再生を阻害している。

・ビタミンEは脂溶性であるので、細胞膜組織に直接浸潤することができ、活性酸素の悪影響をその場で減少させている。さらにビタミンEは細胞膜の主要な成分であるリン脂質を保ち細胞膜を柔軟にするのに役立っており、損傷を受けた後の再生がスムーズになる。

・運動によってミトコンドリアが酸素を通常よりも多く燃焼するようになれば、筋細胞膜が運動によって破壊されるのと同時に活性酸素も生成されることになる。ビタミンEはこの様な活性酸素が増大している環境下でも適切な細胞膜再生を可能にし、損傷が増大しすぎないようコントロールするように機能する。
posted by ほのぼん at 11:10| Comment(0) | 病気予防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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