魚介類摂取増加によって脳内水銀濃度は増加するが、アルツハイマー病の病変は少なかった、というニュースです。
参考記事
高い脳内水銀濃度はアルツハイマー病と関係なし
●魚介類摂取と認知症
・多くの研究が、魚介類摂取量に認知症の予防効果を発見してきた。
●魚介類と水銀
・魚介類は、神経認知発達を損なう神経毒である水銀の供給源である。
・水銀毒性は魚介類中に存在する必須栄養素セレンによって低下することが知られている。
●米国ラッシュ大学からの研究報告
・魚介類摂取量が脳内水銀濃度の増加と相関しているかどうか、魚介類摂取量や脳内水銀濃度は脳の神経病理と相関しているかどうかを調べた。
・調査参加者の大部分が非ヒスパニック系白人で、死亡時の平均年齢は90歳で、67%が女性であった。
・参加者544人のうち286人の脳剖検では、脳内水銀濃度は、週当たりに摂取した魚介類の食事の数と正に相関していた。
年齢、性別、教育、総エネルギー摂取量について調整したモデルでは、魚介類摂取量(食事一回以上/週)は、アルツハイマー病の病変がより少ないことと有意に相関していた。
ただし、アポリポたんぱく質E(APOEε4)キャリアに限り、遺伝子変異がアルツハイマー病発症リスクの増加に関連していた。
※APOEε4
アポリポ蛋白E(ApoE)の対立遺伝子ε4の頻度が家族性ならびに孤発性アルツハイマー病で著しく高い。ApoE ε4遺伝子と脳内Aβ沈着量に正の相関がある。
・魚油摂取は、どの神経病理学的マーカーとも統計的に有意な相関がなかった。
2016年02月16日
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