テロメア長の短縮度合いとがんとの関係に関するニュースです。
参考記事
テロメアの変化は、がんを予測します
●テロメア長とがんの関係に関する最近の知見
・テロメアは細胞分裂のたびに短縮して行くので、高齢者のテロメア長は短い。
・がんはものすごい勢いで細胞分裂を繰り返すため、テロメア長は極めて短いと予想されるが、実際にはそうはならず、無限の増殖を可能にするためにテロメア長が短縮されないような仕組みを獲得している。
●米国ノースウェスタン大学からの研究報告
・792名の参加者を13年以上にわたって追跡調査し、その間テロメア長が複数回測定された。追跡期間中に、135名が、前立腺がん、皮膚がん、肺がん、白血病などのがんを発症した。
・データ解析によって、まず、がんを発症した者はそうでない者に比べて、テロメア長の短縮の速度が速いことが明らかになった。がんを発症した者のテロメア長は実年齢よりも15歳上と考えられた。
・このテロメア長の短縮は、がんと診断される3-4年前には停止することが明らかになった。
がんによってテロメア長の短縮の速度が早くなるが、がん診断の3-4年前に急速な短縮が安定化する変曲点(無限の増殖を可能にする仕組みが獲得されて短縮が停止)があることが分かった。
この変曲点で起きている仕組みが解明されれば、効果的ながんの治療法につながる可能性がある。
2016年02月20日
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