葉酸を摂取すると血管弛緩作用がある一酸化窒素の生産量が高まり、高温下での高齢者の心血管障害のリスクを低下できるかもしれない、というニュースです。
参考記事
葉酸は異常熱波への高齢者の耐性を高めるかも
●一酸化窒素と血管
・血管内皮細胞から産生される一酸化窒素には、血管拡張作用(降圧作用)、血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)などがある。
●高齢者とNO
・一酸化窒素は、血管においてテトラヒドロビオプテリン(BH4)を要求する酵素によって生産されるが、加齢に伴ってBH4の利用率は低下していく。
・高齢者は高温下に置かれたとき、若者のように適切に皮下の血流を増やせないので、その結果として心臓マヒや脳卒中のような心血管障害のリスクが高まる。この原因の一部として血管が充分な一酸化窒素を生産できなくなるためと言われている。
●米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告
・若者11名と高齢者11名を対象に実験を実施した。
・皮内微小透析ファイバーを用いて局所的に葉酸濃度を上昇させることで一酸化酸素の生産量を高められることが確認された。
・参加者をランダムに2群に分け、葉酸もしくはプラセボを1日1回6週間摂取させた後に、全身スーツで環境温度を高めて一酸化窒素の生産量が測定された結果、同様に葉酸摂取によって生産が高まることが明らかになった。
・研究者は、葉酸がBH4の利用率を高めることから、今回の結果は、葉酸の投与がBH4の利用率を高めた結果、一酸化窒素の生産量が高まったと考えている。
2016年03月08日
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