2016年04月16日

AGE、高温調理とアルツハイマー病との関連

高温で調理した食品はAGEs(終末糖化産物)含量が高く、アルツハイマー病のリスクが高くなるかもしれない、というニュースです。

参考記事
AGEs(終末糖化産物)はアルツハイマー病のリスク因子?


●AGEs(終末糖化産物)とは?

・AGEsは糖とたんぱく質などの巨大分子が結合したものであり、ヒトの体内でも生成される。

・AGEsは、高温で食品を調理した時にも生成する。あるいは製造から長時間が過ぎたチーズなどにも含まれる。

●AGEsに関する最近の知見

・種々の慢性疾患のリスクを種々のメカニズムによって高めるといわれている。

・AGEsは体内のAGEs受容体(RAGE)と結合する。RAGEはベータアミロイドたんぱく質を血液脳関門を通じて輸送しアルツハイマー病の発症に一役買っていると考えられている


●米国マウントサイナイ医科大学からの研究報告

・米国の一般的な食事中のAGEsの含量がアルツハイマー病のリスクに与える影響について検討した。

種々の国々の観察研究から集めた食事のAGEs含量を初めて推定し、アルツハイマー病のリスクと食事性因子の関係を検討した。

・実際に549品の料理を複数の方法で調理してAGEs含量を測定した。高温になるほどAGEs含量は高くなった。たとえば100gの生牛肉には707kUのAGEsが含まれていたが、100gのローストビーフでは6071kUといった具合であった。

・典型的な米国食では、肉類が最も多くAGEsを含んでいた。次いで植物油、チーズ、魚の順であった。穀物、卵、果物、豆、牛乳、堅果、根菜、野菜は全般的にAGEsの寄与率は低かった。

・研究チームによれば、この疫学的研究は、彼らの以前の動物とヒトで得られた実験結果と一致するという。

AGEsの多い西洋型の食事を与えられたマウスの脳のAGEs濃度は高くまたアミロイド-βの沈着量も多かった。同時に認知機能や運動機能の低下も観察された。AGEsの低い食事を摂ったマウスではより長く健康な状態が維持された。臨床試験でも、血中のAGEs濃度が高いヒトは認知機能の低下を起こすリスクが高かった。
posted by ほのぼん at 11:20| Comment(0) | 病気予防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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