疫学研究でコレステロール値がわずかに高いとそれ以外健康でも心臓病リスクが高まるという結果になった、というニュースです。
参考記事
35-55歳の高コレステロールが後の心臓リスクを高める
Hyperlipidemia in early adulthood increases long-term risk of coronary heart disease.
●米国デューク大学からの研究報告
・大規模コホート研究であるフラミンガム心臓研究の参加者中、55歳で心臓疾患のない1,478名を対象に検討を行った。それまでのコレステロール値が記録から抽出され、それ以後20年にわたって、心臓病の発症が追跡調査された。
・コレステロール値高値は、本研究では非HDL-コレステロールが160 mg/dL以上と定義された。
※非HDL-コレステロール
・総コレステロール(VLDL・LDL・HDLを総合したコレステロール数値)からHDLコレステロールを引いた値。
・55歳の時点で、約40%が過去10年にわたってコレステロール高値であったが、15年の追跡期間中、これらの人々の心臓病リスクは16.5%であり、高値ではない者が4.4%だったことから、約4倍の上昇と考えられた。
・コレステロール高値は10年でリスクを39%高め、わずかな高値であっても長期の影響によって有意にリスクを高めることがわかった。
・この傾向はコレステロール以外のリスクのない人々で特に強い傾向がみられたと。タバコを吸わず、血圧も血糖値も正常範囲にあり、体重も普通範囲だが、コレステロールが高いことで問題が起こるリスクが高まるようだ。
2016年04月23日
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