果物や野菜に豊富に含まれるカリウム塩(重炭酸塩・クエン酸塩)が骨吸収を減少させ、骨の強度を高めている、というニュースです。
参考記事
カリウム塩が骨の健康を改善し、骨粗鬆症リスクを抑える
●英国サリー大学によるメタ分析の結果報告
・系統的検索によって見つけたアルカリ性カリウム塩のカルシウム代謝と骨健康への影響をみた14件の先行研究をコクランコラボレーションのレビューマネージャー(メタアナリシスができるソフトウエア)によってランダム効果モデルを用いて解析。
※コクランコラボレーション(コクラン共同計画)
・治療と予防に関する医療情報を定期的に吟味し人々に伝えるために、世界展開している計画。
・ランダム化比較試験(RCT)を中心として、臨床試験をくまなく収集し、評価し、分析するシステマティック・レビューを行い、その結果を、医療関係者などに届け、合理的な意思決定に供することを目的としている。
・その結果、重炭酸カリウムとクエン酸カリウムの摂取によって、尿中カルシウム排泄が有意に低下し、同様に酸の排泄も有意に低下した。
骨吸収マーカーのNTXを有意に低下させたが、骨形成マーカーあるいはBMDには効果がみられなかった。
※骨吸収(こつきゅうしゅう)
破骨細胞により古くなった骨が分解され破壊されていく現象。
これらの塩のカルシウム排泄の低下度は、塩化カリウムよりも大きかった。
・研究者は以下のように解説している。
過剰な酸が中和され骨ミネラルが保持される。動物・穀物タンパク質が多い典型的な西洋食の結果、体内で過剰となった酸が原因で骨は弱くなり骨折しやすくなる。本研究結果で骨吸収の減少が示されたため、こうした塩で骨粗しょう症を予防できることを示している。
2016年05月01日
この記事へのコメント
コメントを書く

