ラットを使った実験で、果糖によって脳の遺伝子が変化し、記憶力が損なわれた、というニュースです。
参考記事
果糖で脳の遺伝子が損傷、でもDHAで回復?
●脳の遺伝子の変化と病気の関係
・糖尿病から心血管疾患、またアルツハイマーから注意欠陥多動性障害などといった多様な病気は脳の遺伝子の変化と関連がある。
●米国カリフォルニア大学からの研究報告
・ラットにはあらかじめ迷路から脱出させる訓練を行い、ランダムに3群に分けた。
1つ目の群には、人間でいうと毎日1リットルの炭酸飲料を飲んでいるに等しい量の果糖溶液と通常食を与えた(果糖群)。2つめの群には同様の果糖溶液を与えたが、エサはDHAが豊富に含まれたものとした(果糖+DHA群)。3つめの群はただの水と通常食を与えた(水群)。
・6週間後、ラットを迷路に入れたところ、果糖群のラットは水群に比べ、脱出までの時間が倍かかったことから、果糖がラットたちの記憶力を損なったことが示された。一方で、果糖+DHA群のラットは水群とほとんど変わらない結果となり、DHAが果糖の有害な影響を排除したことが強く示された。
果糖群のラットは他のラットの群に比べ血糖値と中性脂肪、インスリンのレベルが大幅に高かった。
○果糖が遺伝子を損傷するメカニズム
・DNAの構成要素のヌクレオチドのひとつ、シトシンに対し、果糖は分子を加えたり、または除去したりすることがわかった。この改変は、遺伝子のスイッチが"ON"または"OFF"になる上で重要な役割を持つ。
・以前の研究では、果糖が脳細胞間のコミュニケーションを損なったり、脳内に有毒な分子を増加させることが発見されている。
・長期に渡る果糖の摂り過ぎは、学習や記憶に関わる脳の機能を弱める可能性がある。
○DHAの効果
・DHAは脳細胞の細胞膜に天然に存在するが、病気に対抗するほど十分な量が含まれているわけではないので、食事からDHAを摂取する必要がある。
・DHAには、脳のシナプスを強化して、学習や記憶の質を向上させる働きがある。
2016年05月11日
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