睡眠時無呼吸の症状がある人や深い眠りの時間が少ない人は、脳損傷や脳細胞の損失等の変化が生じ、悪影響を与える、というニュースです。
参考記事
睡眠不足は認知症のもと?
●ハワイ大学による研究
・平均年齢84才の日系アメリカ人男性167名の自宅で、睡眠テストを行い、死亡するまで平均6年間追跡調査した。
死亡後、マイクロ梗塞・脳細胞の損傷・アルツハイマー病およびレビー小体認知症に見られるレビー小体に関連したプラークや原線維塊があるか確認するため、脳の解剖を行った。
・睡眠中の血中酸素レベルが通常よりも低い時間の割合により、参加者を4グループに分けた。睡眠中の時間の13%未満が低酸素レベルであったグループが最低グループ、同様に72-99%を最高グループとしている。
最低グループの41人中4人に脳内のマイクロ梗塞があり、最高グループでは42人中14人以上が認められ、脳損傷がある可能性がほぼ4倍であった。
睡眠時無呼吸時や、肺気腫などの症状により睡眠中の血液に酸素があまりない人は、血中酸素レベルが高い人よりも、マイクロ梗塞と呼ばれる脳組織の小さな異常がある可能性が高いことが明らかとなった。これらの異常は、認知症の発症に関連している。
・徐波睡眠に費やされた時間に基づいて再度参加者を4群に分けた。徐波睡眠時間が最も多かった38人中7人に比べ、徐波睡眠時間が最も少なかった37人中17人に、脳細胞の損失が見られた。
徐波睡眠は、新たな記憶を処理し、事実を覚える際に重要である。ヒトは、年を取るにつれ徐波睡眠の時間が少なくなる傾向にある。脳細胞の損失は、アルツハイマー病及び認知症と関連している。
・本結果は、喫煙やBMIなどの要因を調整後も、追跡期間の初期に死亡した参加者や研究開始時に認知テストスコアが低かった参加者を除外した後も同じであった。
2016年05月21日
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