心血管疾患に対する予防目的で低用量のアスピリンを服用する場合の効果、注意点に関するニュースです。
参考記事
心血管イベント予防目的の低用量アスピリンの効果は?
●早稲田大学率いる多施設協同研究
・高血圧・糖尿病・コレステロールやトリグリセリドレベルが悪い日本人患者が、1日1回の低用量アスピリンを服用により、心血管(CV)イベントの総数(CVが原因による死亡・非致死的心臓発作・脳卒中)を削減できるかどうかを検討した。
日本の1,007診療所で募集した60-85才の高血圧・脂質異常症・糖尿病患者14,464人に、現在利用中の薬に加え、アスピリン(100mg/日)もしくはプラセボを無作為に与えた。
・その結果、心血管系の原因よる死亡・非致死性脳卒中・非致死的心臓発作による死亡などの主要エンドポイントまでの時間的な差は、アスピリン群とプラセボ群で統計的に有意がなかった。実験開始後5年間で、累積主要イベント発生率はアスピリン群(2.77%)とプラセボ群(2.96%)で同様であった。
アスピリンは致命的でない心臓発作や一過性脳虚血発作の発生率を低減したが、輸血や入院を必要とするような頭蓋外出血リスクを増加させた。
・アスピリンは急性血管イベントによる短期的リスクの高い患者や、血管手術を受けた患者は摂取したほうがよいと思われるが、血管イベントのリスクが非常に低い患者は、血管イベントの予防のためにはたとえ低用量でであってもアスピリンを服用すべきではない。
2016年06月02日
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