胎児の子宮内でのDNAのメチル化などによる長期的な変動が出生時の体重に影響を与え、2型糖尿病のリスクに対して影響を与えるかもしれない、というニュースです。
参考記事
生まれた時のサイズで成人期の病気が決まる
●英国ケンブリッジ大学による研究
・研究チームは、出生時体重の大小を決める子宮内の状態が、赤ちゃんの遺伝子発現に影響を与え、それが成人期まで影響する、という有力な仮説が本当かどうかを確認する研究を実施した。
実験では、対象者を妊娠後期の血糖値が高い妊娠糖尿病(GDM)のある母親の乳児(グループ1)、出産前の成長は遅かったが出生後の成長が早い乳幼児(グループ2)、出生後の成長が通常の乳児(グループ3)に分け、臍帯血サンプル中のビーズチップを用いDNAメチル化パターンを比較した。
・その結果、対照群であるグループ3に比べ、グループ1及び2では75のCpG領域が特異的にメチル化されており、その72遺伝子の殆どが成長および糖尿病に関連するものだった。
胎児期の発育障害を窺わせる低出生体重(グループ2)と妊娠糖尿病(GDM)後にみられる高出生体重(グループ1)は、共に成人期の2型糖尿病のリスク増加と関連しているという。
本知見は、子宮内で決まった遺伝子の活性の長期的な変動が、赤ちゃんの出生児のサイズと成人病リスクの関係の基盤となるという仮説を支持するものである。
2016年06月04日
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