運動の有無に関わらず座位時間が長いと悪影響がある、といった研究結果もありますが、運動による効果が勝る、という研究報告もあります。
参考記事
座りがちでも運動すれば健康に
●クーパー研究所及びテキサス大学などの研究者らによる研究
・テキサス州のクーパークリニックを受診した1,304人の男性を対象に、座りがちな日常生活行動と、身体活動、及びフィットネスレベルが肥満や代謝性バイオマーカーに対してどのような相関性が見られるのかについて1981〜2012年の間、追跡検討した。
座りがちな日常生活行動は自己申告のテレビ視聴時間と移動手段として車を利用している場合の車中時間をもとに算出した。フィットネスレベルはトレッドミルを用いた負荷試験を用いて測定した。
・結果、座業中心時間が長くなることは収縮期血圧が優位に高いこと、さらに総コレステロール、中性脂肪が高いことと、HDLが低いことに関連した。さらにBMIが高いこと、腹部周囲径が大きい事、体脂肪率が高いこととも関連していた。
しかしながら、フィットネスレベルを考慮に入れて数値を補正すると、座業中心時間が長くなることは中性脂質/HDLの比率が高くなること(この数値はインスリン抵抗性の基準となり得る)だけにしか、有意な相関性は見られなかった。また、座業中心時間はメタボリックシンドロームとは関連していなかった。
反対に、フィットネスレベルが高いことは体脂肪率が低いこと、その他の代謝性指標が低下することと有意な関連性が見られた。
・本研究の注意点として、座りがちな行動習慣は研究開始時点の自覚的な自己申告のみに基づいた時間であり、対してフィットネスレベルは、研究期間中病院を訪れる毎に客観的に測定されていた点が挙げられる。
2016年07月09日
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