最近、小太りが一番長生き、といった話をよく聞きますが、疾患があって低体重になってしまっている人、喫煙の影響で低体重の人などの影響を考慮すると、小太りの人の方が普通体重の人より死亡リスクが高かった、というニュースです。
参考記事
肥満は早死のリスクを高めるようだ
●米国のハーバード大学と、英国のケンブリッジ大学の研究者らが中心となって行った共同研究(『ランセット』誌に報告)
・32か国の1970-2015年にかけての239件の大規模疫学研究の1千万人以上のデータを解析した。
今までの研究では、因果の逆転として、低体重が原因というよりもむしろ疾患があることで体重減少が起こっていること、喫煙をすることで体重が減少していることが考慮されていなかったため、今回の研究では、これらのバイアスを除いてBMIと死亡との関連を研究するために、喫煙のない者で、慢性疾患の罹患がない者を解析対象とした。
・その結果、BMI22.5-25が死亡リスクが最も低く、25-27.5で7%の、27.5-30で20%の、30-35で45%の、35-40で94%の、そして40-60以上の超高度肥満者では3倍近くの死亡リスクの上昇をみとめた。
・痩せの場合にも死亡リスクの上昇を認めた。
・少し太めの方が長生きできるといういわゆる「肥満パラドックス」はみられなかった。
・疾患別では、BMIが5上昇するごとに、心血管系疾患の死亡リスクは49%、呼吸器疾患の死亡リスクは38%、がんの死亡リスクは19%、各々上昇した。
2016年07月15日
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