妊娠前の母親の食生活が、子どものDNAメチル化などのエピジェネティックな変化を起こし、遺伝子機能に影響を与える、というニュースです。
参考記事
ママのダイエットが子どもの遺伝子を「沈黙」させる
●遺伝子の発現とDNAのメチル化
・子どもの遺伝子は両親から直接遺伝するものだが、それらの遺伝子の発現は、エピジェネティックなDNAの修飾によってコントロールされている。
たとえば、DNAのある部位が化学的にメチル化されることでDNAのその部分(遺伝子)の発現が抑えられる。これが起きるためには葉酸、ビタミンB2、B12、コリン、メチオニンなどの栄養素も必要になる。
●英国ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院とMRCの研究チームによる報告
・ガンビア農村部において、雨季と乾季の季節変動がもたらす食生活パターンの極端な差を利用してデータを収集した。
2千人以上の女性から、雨季のピークに妊娠した女性84名と乾季のピークに妊娠した女性83名を選別した。血液検査によって栄養状態が測られた。子どもの栄養状態は2-8か月時の血液と 毛嚢を用いて測定した。
・雨季に妊娠して生まれた子は、乾季に妊娠して生まれた子に比べて、測定した6つの遺伝子すべてにおいて、DNAのメチル化の度合いが高いことを発見した。
この違いはまた母親の血液中の種々の栄養素の濃度の違いとも関連していた。特に強い関連がみられたのは、ホモシステインとシステインであり、母親のBMIにも関連がみられた。
2016年07月31日
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