総脂肪・飽和脂肪の摂取量が多いと、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体陽性(ER+ PR+)乳がんやヒト上皮成長因子2受容体陰性(HER2-)疾患のリスクが高くなるというニュースです。
参考記事
高脂肪食で乳がんリスクが増える
●エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体と乳がん
・乳がんの7割はホルモン依存性で、女性ホルモンの影響で増殖する。
・ホルモン受容体には、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の2種類があり、受容体が陽性の場合はホルモン療法が行われ、陰性の場合は女性ホルモン影響とは関係なく増大するがんなのでホルモン療法は効かないと判断される。
●HER2(ハーツー、ヒト上皮成長因子2受容体)と乳がん
・細胞の生産にかかわるヒト上皮細胞増殖因子受容体とよく似た構造をもつ遺伝子タンパク。
・HER2タンパクは、正常な細胞にもわずかに存在し、細胞の増殖調節機能を担っていると考えられているが、過剰に発現したり活性化したりして細胞の増殖や悪性化に関わるとされている。
・乳がん細胞の中にはHER2受容体が異常にたくさん出ている(過剰発現)ものがあり、このタイプのがんは、ホルモン療法が効かないタイプの乳がんに多い。
●イタリアIRCCS国立がん研究所の予防・予測医学科による研究
・EPICコホート研究に参加した10,062名の乳がん患者を11.5年間追跡調査し、データを分析した。
・その結果、総脂肪・飽和脂肪の摂取量が高いと、ER+ PR+の乳がんリスクが高くなっていた。
また、高飽和脂肪摂取量はHER2疾患のリスクの増加と関連していた。
・高脂肪食は乳がんリスクを増大させ、飽和脂肪摂取量が高いと受容体陽性疾患のリスクが明らかに高くなるため、受容体陽性乳がんの病因には飽和脂肪が関与していることが示唆された、と結論付けている。
2016年08月02日
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