乳幼児の抗生物質服用と食物アレルギーの関連についてのニュースです。
参考記事
赤ちゃんの抗生物質服用、食物アレルギーリスクに
●抗生物質と腸内細菌
・抗生物質が腸内細菌叢の組成を変化させることは知られているが、米国の生後3か月〜3歳の子どもへの抗生物質の処方は年平均2.2回だという。
・生後1年以内の乳児が抗生物質を服用すると、病原菌だけでなく腸内の有用菌まで一掃してしまい、このことが食物アレルギーにつながる恐れがあるという。
●米国サウスカロライナ大学の研究
・食物アレルギー患者である子ども約1500人と、非患者の子ども約6000人のデータを分析した。
分析にあたっては、子どもの月齢・年齢、性別、人種・民族によりデータ調整を行ったほか、分娩法、母乳栄養、喘息と湿疹の既往歴、母親の年齢、都市部に居住しているか、といった要因も考慮した。
・その結果、生後1年以内に抗生物質を処方された子どもは、されなかった子供に比べて食物アレルギーと診断される割合が1.21倍高いことがわかった。
さらに、抗生物質を処方された回数が多いほど食物アレルギーのリスクは高まることも明らかになった。処方回数が3回だと1.31倍、4回で1.43倍、5回以上では1.64倍にものぼった。
また、抗生物質の中でも「広域抗生物質」と呼ばれる、より多くの菌への殺菌効果がある薬ほど食物アレルギーリスクは高くなる傾向があったとのこと。
2016年12月08日
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