高齢者が人生の楽しみを多く感じていると、死亡リスクを低下させるかもしれないというニュースです。
参考記事
高齢期の持続的な幸福感は長寿につながる?!
●ユニヴァーシティ・コレッジ・ロンドンからの報告
・高齢者イギリス縦断的研究(ELSA)に参加していた50歳以上(平均年齢63歳)の9,365人の男女を対象。
・"人生の楽しみ"の測定値は、2002年から2006年に、2年間隔で3回評価した。死亡率との関連は2013年まで分析された。
・"楽しさ"についての4つの質問それぞれに対し、("決して","まれに")、("ふつう","しばしば")と回答した者は、それぞれ、"0"、"1"とスコア化した。4つの質問の回答の合計点で、0から2のスコアは"人生の楽しみがない"、3から4のスコアは"人生の楽しみが多い"と分類された。結果に影響を及ぼす可能性のある要因、例えば、富、教育歴、健康問題有り、抑うつ気分などで、調整した。
・その結果、女性、結婚している、同居している、高学歴、裕福、若年、現在雇用中で、"人生の楽しみが多い"と報告した回数が大きかった。
追跡調査期間中、1,310人の死亡が認められた。"人生の楽しみが多い"という報告がより少ない者で、死亡率がより高まるという、段階的な効果が見られた。例えば、全死因死亡リスクは、"人生の楽しみがない"群と比して、"人生の楽しみが多い"を2回報告した者で17パーセント減少、3回報告した者で24パーセント減少した。
・研究者らは、この関連は、重病が楽しみの欠如につながり、さらに死亡リスクを高めるという、逆の因果関係によるバイアスの可能性があると指摘している。
研究者らは、これを修正するために、最期の測定後、少なくとも2年間の死亡を制限し、さらなる分析を行なったが、結果に違いは認められなかったという。
2016年12月16日
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