抗生物質の使用が腸内細菌だけではなく、腸上皮やミトコンドリアなど広範囲に影響を与えているかもしれない、というニュースです。
参考記事
抗生物質の副作用は、予想以上に複雑で広範囲
●オレゴン州立大学による研究
・抗生物質が胃腸系の自然で有益な細菌叢を破壊し、副作用を及ぼすことは以前から知られている。本研究はなぜそれが起こるのかについて詳しく解説している。
○抗生物質の健康への影響
・抗生物質の使用、特に過剰摂取はグルコース代謝、食物吸収、肥満、ストレス、行動に至るすべてに不要な効果をもたらす。
・抗生物質は適切に使用すれば生命を脅かす細菌感染を治療することができるが、処方を受けた人の10%以上は有害な副作用に苦しんでいる。
○動物実験による研究
・抗生物質は微生物叢を枯渇させ、腸内の重要な免疫機能を低下させると考えられていた。しかしそれは全体の影響の1/3程度のことだ。抗生物質は、腸上皮をも殺す。腸上皮は栄養を吸収する部位であり免疫系の一部であり、人の健康に重要な役割を果たす他の生物学的機能でもあるため、その破壊は重大。
・抗生物質や抗生物質耐性菌がミトコンドリア機能に大きな変化を引き起こし、それが上皮細胞死をまた引き起こすことが明らかとなった。
・抗生物質による治療の影響を受けた遺伝子のいずれかが、ホストと微生物とのコミュニケーションに重要であることも発見された。
→ホストの微生物通信システムのバランスが崩れると、一見無関係な問題の連鎖を起こす。
2016年12月22日
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