喫煙、飲酒、肥満、果物・野菜の摂取不足などの変更可能ながんのリスク因子の寄与率を計算したという、米国の研究チームの研究報告のニュースです。
参考記事
米国におけるがんのリスク因子の寄与率を計算
●米国がん協会のファーハド・イスラミ博士らの研究チームからの報告
・既知のリスク因子の有病率とその相対リスクを用いて、こられの因子に起因するがんの割合を推定。そして実際のがんデータに適用して26種類のがんと全体の症例数および死亡数を推定した。
使用されたリスク因子には、喫煙、副流煙、肥満、飲酒、赤肉・加工肉摂取、果物・野菜の低摂取、食物繊維の低摂取、カルシウムの低摂取、身体不活動、紫外線、6週のがん関連感染症が含まれた。
・解析の結果、2014年の米国における全がん症例の42%と全がん死亡例の45.1%は、これらの変更可能なリスク因子に帰すことができることが明らかになった。
リスク因子 発症の寄与率 死亡の寄与率
喫煙 19% 28.8%
肥満 7.8% 6.5%
飲酒 5.6% 4.0%
紫外線 4.7% 1.5%
身体不活動 2.9% 2.2%
果物・野菜の低摂取 1.9% 2.7%
HPV感染 1.8% 1.1%
・これら既知の変更可能なリスク因子の寄与率が最も高いがんは、
肺がんであり、大腸がんがこれに続いた。
いくつかの主要ながんの発症にはこれらリスク因子が高い割合で寄与していた(肺がんは85.8%、肝臓がんは71%、大腸がんは54.6%、乳がんは28.7%)。
・肥満、飲酒、貧しい食生活、身体不活動の組み合わせの寄与率を計算した結果、これら4つの因子のトータルの寄与は、男性の発症の13.9%、女性の発症の22.4%、男性のがん死の14.9%、女性のがん死の16.9%であった。
2017年11月27日
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