欧州の疫学調査で、乳製品の摂取量が多いと総死亡率、脳血管死亡率が低い、という関連が見られた、という研究のニュースです。
参考記事
Current advice to limit dairy intake should be reconsidered, research suggests
Advice to limit dairy should be reconsidered
●欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)からの報告
○2017年に発表された29のコホート研究のメタアナリシス
・乳製品の摂取量と心血管疾患(CVD)または総死亡率との間に関連は認められなかった。
○スウェーデンの成人を対象とした20年に及ぶ大規模前向き研究
・女性において、牛乳の摂取量が多いと心血管疾患(CVD)を含む死亡リスクが2倍になるという関連が見られた。
○Banach教授らのNational Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES) studyのデータ分析
・1999〜2010年の間の、平均年齢47.6歳の24,474人の成人のデータを対象。
・追跡期間は76.4ヵ月。
・乳製品の摂取は総死亡率2%低下(HR:0.98, 95% CI: 0.95-0.99)、脳血管死亡率4%低下(HR: 0.96, 95% CI: 0.94-0.98)の関連が見られた。
・チーズの摂取は総死亡率8%低下(HR:0.92, 95% CI: 0.87-0.97)の関連が見られた。
・牛乳の摂取は脳血管死亡率7%低下(HR: 0.93, 95% CI: 0.91-0.96)の関連が見られた。
○Banach教授らの12の前向きコホート研究のメタアナリシス
・参加者636,726人、追跡間が約15年間。
・牛乳の摂取量については、冠動脈疾患(CHD)死亡率が4%増加の関連が見られた。
・ヨーグルトなどの発酵乳製品については、総死亡率3%低下の関連が見られた。
2018年08月30日
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