2024年08月29日

マウス研究では、断食によってガンのリスクが増大?

断食によって腸の幹細胞の再生能力が高まるというメリットがある一方で、断食によって腸幹細胞の再生能力が高まっているタイミングでガンを引き起こす突然変異が発生すると腸の腫瘍が発生するリスクが高まってしまうという、マウス研究の報告です。

参考記事
Benefits and downside of fasting
Short-term post-fast refeeding enhances intestinal stemness via polyamines

●本研究より前の研究で示されていた断食のメリット
・腸の幹細胞の再生能力を高めることが挙げられ、これが腸の損傷や炎症からの回復を助けることが示されていた。

●マサチューセッツ工科大学による研究報告

〇腸の幹細胞の再生能力を促進するのは、断食自体?それとも断食後の食事?
・幹細胞の再生は断食中は抑制されるが、再摂食期間中に急増することを発見した。
・研究者は、「断食状態では、細胞が脂質と脂肪酸をエネルギー源として利用できるため、栄養分が不足しても細胞は生き残ることができます。そして、再生を実際に促進するのは、断食後の再摂食状態です。栄養分が利用可能になると、これらの幹細胞と前駆細胞は、細胞塊を構築して腸壁を再び増殖させるプログラムを起動します。」と述べている。

〇幹細胞の再生能力が高まることのデメリット
・幹細胞がこのように再生能力の高い状態にあると、がん化しやすいことも発見した。腸幹細胞は体内で最も活発に分裂する細胞の一つで、腸の内壁が5日から10日ごとに完全に入れ替わるのを助ける。これらの幹細胞は分裂が非常に頻繁に起こるため、腸内の前がん細胞の最も一般的な発生源となっている。
・この研究で研究者らは、再摂食段階でマウスの癌を引き起こす遺伝子をオンにした場合、絶食状態でその遺伝子をオンにした場合よりも、前癌状態のポリープを発症する可能性がはるかに高くなることを発見した。

〇人間の場合における推測
・断食は非常に健康的だが、運が悪く断食後に再摂食し、焦げたステーキなどの突然変異誘発物質にさらされると、実際には癌を引き起こす可能性のある病変を発症する可能性が高まる可能性がある。
・断食による再生効果は、腸壁を損傷する可能性のある放射線治療やその他の腸損傷を受けている人にとっては大きな意味を持つ可能性がある。
posted by ほのぼん at 18:00| Comment(0) | 病気予防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。